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下肢静脈瘤の治療

*いずれの治療方法も長所・短所があります。治療を受けられる際は担当医としっかり相談されることをお勧めします。

血管内焼灼術

血管内焼灼術(けっかんないしょうしゃくじゅつ)とは、逆流の原因となっている弁を含む静脈を、静脈の中から熱を用いて焼き、静脈を閉じて逆流をなくす治療法です。熱源として、レーザーによる方法と高周波による方法に分けられます。伏在型や分枝型静脈瘤に対して行われます。

いずれも傷が小さい、全身麻酔が不要、手術時間が短いなどの長所があり、日帰り手術が可能です。

レーザー焼灼術

2011年に保険診療になり、その後急速に普及しました。当初は手術後の痛みや内出血が問題でしたが、2014年以降に発売された1470nmレーザーでは大幅に改善されました。また2018年にはより細い静脈瘤にも対応できるようになるなど、治療の幅が広がっています。

高周波焼灼術

2014年に保険診療になりました。ある程度太さのある静脈をしっかり閉じたい場合に向いています。レーザーと同じように、手術後の痛みや内出血も少ない治療法です。

硬化療法

網目状、クモの巣状静脈瘤など、細いタイプの静脈瘤に適した治療法です。

広がった静脈内に硬化剤を注射し、上から押さえることで静脈を閉塞させます。グルー治療と違い、硬化剤では数ヶ月かけて徐々に静脈が消えていきます。

合併症としてしこりや色素沈着がみられます。

圧迫療法

むくみや皮膚炎に対する治療法です。

専用の包帯やストッキングで膝下から足先を圧迫することで、逆流してくる血液を減らします。効果は履いたときのみで、逆流の原因となっている弁の治療ではありません。

市販品もありますが、足の状態やサイズに合わせて適切なものを選ぶ必要があるため、最初は医療機関に相談されることをお勧めします。

グルー治療(ベナシール)

2019年12月より保険診療になった新しい治療法です。

「グルー」とは英語で「(くっつける)のり」のこと。瞬間接着剤(アロンアルファ)と同じ成分であるシアノアクリレートを用いて静脈を中から塞ぐことで、逆流をなくす方法です。熱を用いないので手術時に痛みがほとんどなく、麻酔がごくわずかで済むことが大きな特徴です。

シアノアクリレートが体内に残り、後からアレルギー反応を起こすことがあり注意が必要です。

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